採卵して授精させた卵(胚)を子宮へ戻す場合、「新鮮胚移植」と「凍結融解胚移植」という2つの方法があります。
採卵した後、同じ周期ですぐに胚移植をする方法。
採卵した後、いったん胚を凍結して、次の周期以降に子宮内膜を調整して移植する方法。
なかなか妊娠しない人にとっては、「このままのやり方を続けていいの?」、「別のクリニックに転院した方がいいの?」という不安もあるかと思います。
そのうちどちらの方法を採用しているかは各クリニックによって異なりますが、それぞれ、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

「新鮮胚移植」と「凍結融解胚移植」それぞれのメリット・デメリットを見ていこう。

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新鮮胚移植のメリットとデメリット
【メリット】
胚に凍結や融解というストレスをかけない。
【デメリット】
排卵誘発の状況によっては、その周期の採卵が中止となる可能性がある。
生理周期を整える必要があるため、2~3ヶ月の生理調整が必要になる。
受精卵の成長状況が悪い場合、その周期の移植が中止となる可能性がある。
子宮内膜やホルモン値が移植に適さない場合、その周期の移植が中止となる可能性がある。
質の良い複数の卵子を得るためには排卵誘発剤が必須だが、それより着床に適した時期にずれが起こってしまう(妊娠のチャンスを逃してしまう)ことがある。

これだけ見ると、けっこうデメリットの方が多そうだね。
凍結融解胚移植のメリットとデメリット
【メリット】
生理調整の時間が不要で、すぐ治療に入れる。
胚を凍結保存するので身体の状態や仕事の状況に合わせて移植時期を調整できる。
新鮮胚移植と比較して数%妊娠率が高く、流産率は低い。
1回の採卵で採れた卵子を複数回に分けて移植することができるので、採卵回数を抑えることができ負担軽減につながる。
胚の移植個数をセーブできるため多胎妊娠を防止できる。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を回避することができる。
ホルモン補充で子宮内膜の発育と受精卵の成長のタイミングを合わせることができる(妊娠しやすくなる)。
胚の凍結技術も大きく進歩しており、凍結による胚への障害が殆ど無くなった。
【デメリット】
凍結や融解のダメージによって、胚の生存率が100%ではない(生存率は約96~99%)。
採卵後、移植まで1~2ヶ月待たなければならない。
料金が高い。胚凍結や融解操作にそれぞれかかる費用に加え、胚の保存にもコストがかかる。(※凍結+年間保管料で、新鮮胚移植より約12万円高い)

こっちはメリットの方が多いなあ。


現在は「新鮮胚移植」と「凍結融解胚移植」を比較し、どちらが多いのか

以前は新鮮胚移植が多く用いられていましたが、2008年頃からは凍結融解胚移植が年々増加しているそうだよ。

増えている大きな理由の1つは、やはり新鮮胚移植よりも妊娠率が高いからなんだ。

卵を凍結しちゃって赤ちゃんは大丈夫なの??って心配になるけど、96~99%の胚は障害なく生存できるって聞いて、ちょっと安心かな。

凍結する胚は非常に状態の良い胚のみとしているクリニックも多ので妊娠成績がよくなると考えることもできます。
逆に新鮮胚移植では、状態が良いとされる胚の基準に達していない胚の移植も含まれていることが影響している可能性があります。
胚を凍結する際には、採卵5,6日後に胚盤胞まで発育したもののなかでも、3BB以上に相当する、グレードの良いものを選んで凍結します(施設により基準は異なります)。
なぜなら、もともと質の良くない胚は、凍結融解のストレスにも弱く、解凍時にさらに状態が悪化する可能性があるからです。
これらの結果として、凍結胚移植では状態が非常に良い胚のみを移植することになるので、妊娠率が高くなるとも考えられます。
「凍結をするから妊娠率が飛躍的に高くなる」というわけではないことに注意しましょう。


結論として、新鮮胚移植と凍結融解胚移植は、どっちがいいの?

これまでの情報を見ていくと、結論は次のように言えそうだよ。
結論

ちょっと調べただけだけど、以下のクリニックでは、ホームページ上で「凍結融解胚移植を推奨します」と、はっきり記載されていたよ。
凍結融解胚移植 推奨
・いまいウイメンズクリニック(群馬県前橋市)
・浅田レディースクリニック(愛知県名古屋市)
・西ウィミンズクリニック(福井県福井市)
・池下レディースクリニック吉祥寺(東京都武蔵野市)

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【今回の記事作成や画像使用で参照したページ】
参照:http://imai-womens.com/
参照:http://ivf-asada.jp/
参照:http://nishi-ivf.com/
参照:http://www.ikeshita-clinic.com/kichijoji/
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